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尿路結石治療センター

センター長挨拶

尿路結石治療センター長 宮富 良穂

当院は2011年現在の地に新築移転したことを契機に、同年からESWL(体外衝撃波結石破砕術)を導入し、2013年からf-TUL(経尿道的砕石術)、2014年からECIRS(経皮経尿道同時砕石術)を開始し、ほぼ全ての尿路結石症治療を実施可能となりました。また、2020年に細径腎盂鏡によるmini-ECIRSを、2021年には高出力ホルミウムレーザー(Lumenis®Pulse™120H)を追加導入したことから、難治症例に対する有効性と安全性が格段に向上しております。
当センターには最先端の機器を巧みに操る経験豊富なスタッフが多数在籍しており、プロフェッショナルとしての意識を高く持ち、より良い治療を追求し続けています。
当センターがより多くの尿路結石症患者さんのお役に立てるよう日々精進してまいりますので、これからもみはま病院尿路結石治療センターを宜しくお願い致します。
尿路結石治療センター

腎・尿管結石について

尿路とはおしっこの通り道のことであり、腎臓⇒尿管⇒膀胱⇒尿道のことを指します。尿路に出来た結石のことを尿路結石と呼び、結石の存在する部位によって腎結石や尿管結石のように、それぞれ名前が付けられます。特に腎・尿管結石は疝痛発作(救急車を呼ぶほどの強い痛みの発作)を来したり、結石性腎盂腎炎といった外科的治療を要する尿路感染症の原因となったり、放置すると腎機能障害の原因になることもあるため注意が必要です。

当院の3つの治療方法

体外衝撃波結石砕石術(ESWL)

体外から衝撃波を結石にあてることで結石を砕く方法です。
本治療は体外に結石を摘出することができないため、部位・大きさによって治療の適応が限られます。
当院では原則的に腎結石は15mmまで、尿管結石は10mmまでを適応としており、それ以上の大きさの結石に対しては経尿道的結石砕石術か経皮的腎砕石術を行っています。

当院は、2024年1月でESWL治療を終了しています。

特長

  • ・麻酔が不要
  • ・身体への侵襲が小さく内視鏡手術と比較し合併症が少ない
  • ・入院期間が短い
  • ・部位・大きさによって治療の適応が限られる

衝撃波発生装置について

本機の特徴は非常に破砕力が強いことです。


身体への侵襲が小さく内視鏡手術と比較し合併症が少ない

< 身体への侵襲が小さく内視鏡手術と比較し合併症が少ない >

ドルニエ社製のデルタⅡ

< ドルニエ社製のデルタⅡ >

経尿道的結石砕石術(TUL)

尿道から逆行性に尿管あるいは腎まで内視鏡を挿入し、結石を内視鏡で確認しながらレーザーで砕石する方法です。
結石を割るだけでなく、割った砕石片を回収することができます。そのため比較的大きい結石も適応となり、当院では25mmまでの腎結石は対象としています(20~25mmは結石の体積、位置を考慮してTUL或いは後述のPNLを選択します)。
また、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を内服した状態で手術を実施可能です(ESWLでは抗凝固薬の休薬が必要です)。
欠点としては、麻酔(腰椎麻酔或いは全身麻酔)が必要なこと、ESWLと比較すると身体への侵襲がやや大きいこと、術後に尿管ステント留置(当院では全例術後に尿管内にステント(細い管)を約1週間留置します)が必要なことなどが挙げられます。

特長

  • ・比較的大きい結石も適応
  • ・抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を内服した状態で手術を実施可能
  • ・麻酔(腰椎麻酔或いは全身麻酔)が必要
  • ・4泊5日の入院期間
  • ・術後に尿管ステント留置

経尿道的結石破砕術

TULは使用する内視鏡の違いでr-TULf-TULの2種類に分けられます。
前者では金属の硬い(rigidのr)内視鏡を使用するのに対して、後者は胃カメラのような軟らかい(flexibleのf)内視鏡を使用します。硬い内視鏡は軟らかい内視鏡と比較し細いこと、単独で上部尿管まで挿入が可能であることなどが利点ですが、内視鏡自体が曲がらないため腎結石までは到達不能であること、レーザーを当てる角度を変えられないことなどが欠点として挙げられます。それらの特性の違いを考慮して使い分けています。
当院でのTULの治療成績は有効率(「術後1~3か月後のレントゲン検査で残石が4mm未満かつ水腎症の消失あるいは改善」と定義)95.7%と非常に高いため、手術適応を拡大したこともあり手術件数が急増しております。
当院のTULは手術前日に入院し、入院期間が4泊5日です。

尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザで砕石します。

< 尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザで砕石します。 >

経皮的腎砕石術(PNL)

皮膚から直接腎臓内(腎杯・腎盂・尿管内)に内視鏡を挿入し砕石する方法です。体表(皮膚)から直接腎内にチューブを留置し、そこから内視鏡を挿入して手術を行います。TULでも尿管内にチューブを留置しますが、それよりも太いチューブを用いるため、大きい砕石片も回収可能であり、20mm以上の大きい腎結石が良い適応となります。
当院では手術の安全性と有効性がともに高いことから、近年注目されているTAP(TUL assisted PNL)という術式を標準術式として採用しております。PNL単独ではなく前述のf-TULを同時併用することで安全性と有効性が飛躍的に改善しました。
従来のPNLでは、内視鏡が結石存在部位まで到達できず、結石の一部しか回収できず、残石が多く、追加治療を要することが多いことなどが欠点でした。
一方TAPでは、尿道から逆行性に尿管を経由し腎臓内まで挿入した内視鏡で、針を刺す予定部位(体表から刺した針が腎内に貫通してくる部位)を腎臓の内側から観察しながら針を刺すことが出来、重要な血管が存在しているであろう部位を避けて針をさせるため血管の損傷が最小限に抑えられ、出血量が非常に減少しました。当院ではTAPを行って輸血を要した症例はなく、高い安全性が担保されました。さらに最新鋭の結石破砕装置ボストン社製Swiss LithoClastⓇMaster-Jを導入し、効率的な破砕が可能となりました。従来のPNLでは一つの結石に対して2回以上PNLを要することも稀ではなかったのですが、当院では2回以上TAPを要した症例はなく、治療が終了するまでの期間も非常に短くなりました。

特長

  • ・大きい砕石片も回収可能
  • ・手術の安全性と有効性がともに高い
    (f-TULを同時併用することで安全性と有効性が飛躍的に改善)

尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザで砕石します。

尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザで砕石します。

ボストン社製Swiss LithoClastⓇ Master-J 結石破砕装置

最新鋭の破砕装置による安全で効率的な砕石術
当院では、PNLの手術に最新鋭のボストン社製の結石装置を採用しています。

・超音波と空気衝撃波の2つのモードを持つ結石破砕装置
・硬い結石は空気衝撃波でパワフルに破砕
・超音波での吸引しながらの効率的な破砕

尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザで砕石します。