栄養部
栄養部理念
食は「医食同源」と言われ、ほとんど全ての病気の発生・増悪の原因となり、また各種治療の基本です。おひとりおひとりの食事を分析し、病棟では最適な献立作成とおいしい食事の提供、外来では自宅で出来るメニュー提案と実践のアドバイスを行い、その効果を見守ります。
所属長ごあいさつ
当院栄養部は、「医食同源」を実践すべく、食事・栄養療法活動を大切に考えて行っております。慢性腎臓病・人工透析治療、また各種泌尿器疾患に見られる様々な病態と栄養がどのように関わっているのか、できる限り自施設患者さんのデータ解析を行い、それに基づいた食事メニューの提案・献立作成・食事提供しています。しかし、そういった食事も召し上がっていただけなければ意味がありません。おいしく食べていただく為、管理栄養士11名・調理係26名が一丸となって、日夜工夫し頑張っております。
患者さんに「みはま病院の食事はおいしかった」と言っていただく事が何よりの励みになっております。また、病態が改善し「これほど食事が大切だったんだ」との感想を伺えるのも楽しみです。
所属長 設樂 悦子
患者さんに「みはま病院の食事はおいしかった」と言っていただく事が何よりの励みになっております。また、病態が改善し「これほど食事が大切だったんだ」との感想を伺えるのも楽しみです。
所属長 設樂 悦子
業務案内
栄養療法業務
当院の患者さんは、外来では慢性腎臓病、維持透析治療、他に合併症として、糖尿病、心不全、さらに高齢化に伴う虚弱(フレイル)などをお持ちの方が多くいらっしゃいます。また、尿路結石の方も多いですが、いずれも食事療法が大切で、他の治療の基本ともなっています。しかしお薬処方と違い、外来で理想の栄養量を提示してもその実践となると、生活環境の違い、個々の生体反応も異なり、ほとんど意味をなさないと言っても過言ではありません。そこで当院では以下のような方式を取り入れています。
①デジタルカメラによる食事分析
当院では現状分析に基づく食事メニューを提示させていただく為、デジタルカメラ撮影方式をとっています。2~3日の食事を撮影してもらい、それを栄養士が分析します。総摂取エネルギー、タンパク質、脂質、糖質比など算出し、その偏りをグラフ化したものをお示し、改善点が一目でわかるようにしています。
②ヘルスケアファイルによる栄養指標データの共有
外来ではヘルスケアファイルを用いています。これは、体重や病態を表す各種検査値をグラフでお示し、その相互関係からその方にとって最も良い体重、食事メニューをご本人、家族、また医療スタッフも互いに学び取っていく方式です
③病棟活動
病棟でも栄養士が積極的に患者さんを訪問し、それまでの食生活、食事内容の聞き取り、そして、喫食率向上の為、日々の病態や嗜好に合わせた食事の調整をしています。さらにご自宅でも実施しやすい食事メニューの提示なども行っております。退院後、「みはま病院の食事はおいしかった」と言ってくださる患者さんの声を聴くと、大変元気づけられます。
④地域との連携
高齢化社会を迎え、食事の調達・準備が困難な方も増えています。また、施設入所されている方の栄養問題は悩みの種です。院内のソーシャルワーカーとの連携、さらには、地域の訪問看護、包括ケアを支えておられる方々とも連携を保ち、患者さん個々にあった栄養サポートチームにも積極的に関わってまいります。
⑤栄養情報の発信
「食と健康」に関する『食いしん坊倶楽部』を月1回発行しています。患者さん・スタッフが「食」に興味を持ち、その大切さを知っていただきたいとスタートしました。様々な題材を取り上げ、2021年12月で200号を迎えました。
【食いしん坊倶楽部バックナンバー】
調理業務
提供する食事の献立がいくら完璧でも、食べていただかなければ意味がありません。近年では、調理済み食品を取り入れることによる業務の合理化が進んでいますが、当院では、毎日新鮮な食材を仕入れ、調理係が腕によりをかけて作った食事をすぐに提供するクックサーブ方式をとっています。風味豊かな『だし』調理にもこだわっており、みはま病院の食事がおいしかったといわれる原点はここにあります。
また、スタッフの食事も提供していますが、創業者の『スタッフの栄養管理こそ第一歩だ』との言葉を遵守し、1食エネルギー700kcal・タンパク質25gを基本にバリエーション豊かな食事を提供しており「おいしい」ととても好評です。
衛生面では、厚生労働省「大量調理マニュアル」に従い安全管理を徹底しています。
衛生面では、厚生労働省「大量調理マニュアル」に従い安全管理を徹底しています。
栄養学術研究
食事療法に関しては、各種ガイドラインがありますが、当院では、医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・臨床検査技師などの多職種で、互いにデータベースを共有し合い、様々な病態形成に対する栄養指標の関わりを分析しています。すでに、高度肥満が透析導入の重要な危険因子である事、透析患者さんの生命予後については、低体重・低アルブミン血症・低リン血症・動脈硬化指標のCAVI高値が関連している事などを報告しています。このような自前のデータを基に、週1回の病棟ラウンド、月1回の透析患者さんへの心血管・栄養回診を実施しています。おひとりおひとりの患者さんに向き合い、日々積み重ねたデータを患者さんに還元すべく努力しております。